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    ビートルズと私(間瀬聡)「6. ロックバンドへの憧れ」

    2016.11.25 Friday

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      6. ロックバンドへの憧れ

       

       選択授業の音楽で一時的にグループ演奏したことを除けば、僕はずっと一人、家でギターの弾き語りをしていただけだった。新しい曲が出来たら、カセットに吹き込んで遊んでいた。カセットは100円で買えるし、作曲は無料なので、安上がりでいい趣味だった。もちろん、バンドがしたいなあという思いはずっとあったけど、趣味の合う奴も、楽器が達者な奴もいなかったので、まあ高校に入ってから、と諦めていた。

       

       

       中学を卒業する頃には、ビートルズ以外の洋楽も聴くようになっていたが、それでもビートルズは僕の最終目標であることに違いはなかった。オアシスの曲は弾き語りが簡単なのでよく歌っていたし、何より現役のバンドなので新しい情報が入ってきて(ちょうど4枚目の『Standing On The Shoulder Of Giants』がリリースされた頃だ)、よりのめり込んだが、バンドとしての集合体にはそれほど魅力を感じていなかった。リアムのカリスマ性には憧れるけれど、ギャラガー兄弟とサポートメンバーという雰囲気だったからだ(後にゲムとアンディが加入してからは少し趣が変わる)。しかし、ビートルズは違う。あくまでレノン&マッカートニーというツートップがいるのは確かだが、ジョージもリンゴも輝いている。スーパープレイヤーはいないけど、4人にしか出せない個性的なバンドサウンドがある。最強のメロディと最強のコーラスがある。映画やインタビューからも伝わる、バンドの運命共同体とも言える一体感が何よりも美しく思えた。ライヴハウス叩き上げの現場感がレコーディングからも伝わってくる。ライヴでポールやジョンが歌詞を間違えたり、歌わなかったりすると、ジョージが臨機応変に自分のパートを変えて対応するのもかっこいい。ライヴでのチームワーク。これこそロックバンドだなと。僕は譜面台を立てないロックバンドのシンプルなステージが好きだ。セットリストがなくても、すぐにリクエストに応えられるくらい、メンバー全員の身体に、レパートリーが染み込んでいるバンドが好きだ。そういうバンドのライヴを見ると心から感動する。ビートルズはみんなお互いをリスペクトして、また同時にライバル視もしている。人間同士の信頼感と駆け引きの絶妙なバランスがビートルズの魅力だ。

       

       

       のちに僕が始めることになるカルマセーキというバンド、最初の頃は僕以外にコーラスマイクが立っていなかった。アンサンブルを演奏して歌う、それだけで精一杯だったからだ。でも、少しずつ慣れていくとコーラスの気持ちよさが病み付きになり、最終的には、ほとんど全曲でメンバー全員が歌う、ビートルズみたいな状態になった。演奏しながら歌うと、派手なパフォーマンスは出来ないが、みんなが真剣にお互いの声の重なりを感じながら、同じ歌詞を一生懸命歌っている姿は痺れる。2013年にポール・マッカートニーのライヴを京セラドームで初めて生で見た時にも、改めてそれを実感した。この人は、10代でバンドを始めてからずっと、変わらないかっこよさを追求し続けている。ビートルズのバンド・フォーマットが僕の中の最高の基準になっていた。

       

       

       ただ、よく思い返せば、リンゴは実はライヴでもレコードでもハーモニーに参加していない。リンゴがメインボーカルの曲では、他のメンバーがコーラスをつけるが、フロントの3人がメインの曲でリンゴがコーラスに加わることはない。これは何でなんだろう。長年の謎の一つだ。どこかにリンゴのコーラスについて書かれた手記があれば教えてほしい。

       

       

       話が逸れたが、ビートルズを知れば知るほど、バンドがやりたくて仕方なくなった。もちろん、ビートルズは仲違いして解散、という苦い一面もある。それでもなお、兄弟のような(あるいはそれ以上の)関係性が築けたバンドのパワーに憧れた。ロックバンドこそ、世界で一番かっこいいものだ。これは今でも本当にそう思う。この世にロックバンドより優れたものはない。ビートルズ解散後の4人のソロも色々聴いたけど、ビートルズ時代の作品より僕を痺れさせる曲はなかった。バンドは崇高なのだ。ビートルズはビートルズだった本人達にも越えられない。世界を熱狂させたアイドルチームが、天才的な音楽家集団だったことが本当に素晴らしい。感謝しかない!

       

       

      (次回「7. 我慢して聴く名盤」に続く)

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