スポンサーサイト

2016.12.29 Thursday

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    ビートルズと私(間瀬聡)「1. 岐阜市役所前のミスタードーナッツ」

    2016.10.04 Tuesday

    0

      1. 岐阜市役所前のミスタードーナッツ

       

       

       7歳の夏に僕は岐阜市に引っ越した。長良川の花火大会の日だった。なぜ覚えているかというと、一人で花火を見に行こうとして迷子になったからだ。自分の家も分からず泣いていたら、警察署に連れて行かれ、迎えにきた母にひっぱたかれた。鮮明な思い出である。その後のワイルドな岐阜時代を通して僕は、奇麗な標準語を喋っていた泣き虫少年から、こってこての岐阜弁のお調子者に成長していった。

       

       

       僕が住んでいたのは小熊町にある十六銀行の社宅だ(おそらく今はもうない)。岐阜市役所まで歩いて5分ほどの距離で、市役所の横にはミスタードーナッツがあった(今ではauショップになっている)。母や妹、友達と一緒に行って、スクラッチカードで10点集めて、景品をもらうのが楽しみだった。そのミスタードーナッツでいつもかかっていたのが初期のビートルズソングだった。意味も何もわからない英語の曲だけど、何度も聞くうちに親しみが湧いた。ビートルズのことは知らないし、もちろんビートルズがイギリス人だということも知らない。だから当時の僕は、ドーナッツ=外国、外国=アメリカ、アメリカ=ビートルズ、という印象を抱いていた。そしてそれは外国に対する、ほのかな憧れの芽生えでもあったかもしれない(言い過ぎかもしれない)。

       

       

       今思えば、そこでは多分、ロリポップなどのオールディーズナンバーと並列で、「From Me To You」なんかが流れていたんだと思う。鮮明な記憶もあれば、曖昧な記憶もある。少年時代とはそういうものだ。でも、中学生になって初めてビートルズをビートルズと認識して「From Me To You」を聴いた時、「あ、これミスタードーナッツの曲やん」と思ったのは確かだ。個人的には、特にハーモニカの曲、「Love Me Do」や「Please Please Me」に、とってもミスタードーナッツを感じた。それくらい僕の頭にはビートルズ初期のポップソングが、ミスタードーナッツの甘い匂いと供に、外国風の素敵な思い出として染み込んでいたのだった。ここまでが僕のビートルズ体験のプロローグである。

       

       

      (次回「2.  イエスタデイを数えて」に続く)

      スポンサーサイト

      2016.12.29 Thursday

      0
        コメント
        コメントする